採用に力を入れようとするとき、多くの企業がまず取り組むのが採用ブランディングです。採用サイトのリニューアル、社員インタビューの公開、SNSでの情報発信、Wantedlyのストーリー投稿。こうした施策に時間とコストをかける会社は少なくありません。
確かに、採用ブランディングは重要です。候補者との接点を増やし、会社の魅力を伝えることは、採用成功に欠かせない要素の一つです。ただ、一つ問いたいことがあります。そもそも、何を伝えるかが決まっていますか?
発信する前に固めるべき土台があります。本記事では、採用ブランディングの前に取り組むべきことについて解説します。
採用ブランディングが空振りになる理由
採用ブランディングに取り組んでいるのに、思ったような効果が出ない。そんな声をよく聞きます。
- 応募は増えたがミスマッチが多い
- 面接まで進むが、なかなか内定承諾に至らない
- 採用できても、早期離職が続く
そういう企業に共通するのは、伝え方は整えたが、伝える内容が固まっていないという状態です。魅力的なビジュアルで会社の雰囲気を伝えても、自社に合う人とはどんな人かが言語化されていなければ、響く相手に響きません。結果として、カルチャーや価値観が合わない候補者が集まり、ミスマッチが繰り返されます。
採用ブランディングは伝え方の話です。でもその前に何を伝えるかを決めなければ、どれだけ発信しても的外れになります。
先にやるべき3つのこと
では、採用ブランディングの前に何を固めるべきか。大きく3つあります。
ミッション・ビジョン・バリューは多くの会社が持っています。しかし、それが採用活動に活かされているかというと、別の話です。自社のミッションに照らして、どんな人に来てほしいか。採用活動の中で、それが一貫して語られているでしょうか。
どんな価値観を持つ人が活躍するか、どんな志向性の人はミスマッチになりやすいか。MVVを採用の文脈に落とし込むことが重要です。これがないまま発信しても、誰に向けたメッセージなのかが曖昧になります。
採用における最も貴重なデータは、実は社内にあります。今活躍しているメンバーにはどんな共通点があるか。逆に、早期離職や配置ミスが起きたケースにはどんな傾向があったか。
こうしたパターンを言語化することで、自社に合う人材像の解像度が格段に上がります。どんな人に来てほしいかを発信する前に、まず社内を棚卸しすることが重要です。
候補者がこの会社で働きたいと思うかどうかは、面接での体験に大きく左右されます。面接官によって伝える内容がバラバラだったり、自社の魅力を聞かれても言葉が出てこない状態では、候補者に一貫したメッセージが届きません。
自社の強み、働く環境、カルチャー、成長機会。これらを整理し、誰が面接をしても同じように語れる状態を作ることが先決です。
土台が固まって初めて、発信が武器になる
それができていれば苦労しないと感じた方もいるかもしれません。確かに、MVVの言語化や人材要件の整理は、一朝一夕には進みません。
ただ、土台が固まった状態で採用ブランディングに取り組むと、発信の質が根本から変わります。自社はこういう会社で、こういう価値観を持つ人に来てほしい。そのメッセージが一貫していれば、採用サイトもSNSも、すべてが連動した発信になります。ミスマッチが減り、志望度の高い候補者が集まり、内定承諾率も上がる。この流れは、土台なくして生まれません。
スタートアップほど、土台づくりを後回しにしがち
スタートアップでは、採用の土台づくりが後回しになりやすい傾向があります。事業が忙しく、採用に割けるリソースが限られているため、目に見えやすい施策に先に手が伸びてしまいます。
ただスタートアップこそ、最初の採用が組織文化を決めます。誰を採るかによって、その後の組織の方向性が大きく変わります。早い段階でどんな人に来てほしいか、自社で活躍する人とはどんな人かを言語化しておくことが、後々大きな差になります。
まず土台を固め、その上に発信を乗せる。この順番を意識することが、採用成功への近道です。
まとめ
- 自社のMVVと求める人物像を採用の文脈で言語化する
- 活躍している人・していない人のパターンを社内で棚卸しする
- 面接で一貫して伝えられる自社の魅力を整理する
この土台が固まって初めて、採用ブランディングは機能します。まず何を伝えるかを決める。それがスタートアップにおける採用成功の出発点です。
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